NHKBS1「ミャンマー民主化の内側で アウンサンスーチーの真実」BS世界のドキュメンタリー

NHKBS1で放送されたデンマーク、フランス製作のドキュメンタリー。

ミャンマーの民主化の星として登場したアウン・サン・スー・チー氏が、今ではロヒンギャ問題で苦境にあることはニュースで繰り返し伝えられている。

民主化後も平服を着た軍人が依然として力を持っている政界。軍の長老が介入しクーデタまがいの介入で国トップ人事が決まる実情。また、氏の父親が、ビルマの独立の父であると同時に、ビルマ軍の創設者であるというバックグラウンド。世界の非難を浴びるロヒンギャの民族浄化ともいうべき軍の行動を黙認し続ける態度。

政権与党の国家顧問という最高のポストにあるスー・チー氏だが、軍との微妙なバランスの上に成り立つ立場であることがわかる。民主化が成ったかにみえるミャンマーには、今でも一筋縄ではいかない複雑な事情がある。

軍の影響下のミャンマー政界の権力闘争については見ごたえがあったが、ロヒンギャ問題についての背景があまり詳しく語られていないのは残念。何故、スー・チー氏が民族浄化を黙認するような態度をとっているのかと、ロヒンギャ問題のそのもののについて、もっと掘り下げた構成であればよかった。

NHKBS1
BS世界のドキュメンタリー
ミャンマー民主化の内側で アウンサンスーチーの真実

2019年12月9日(月)23:00~23:45
再放送
2019年12月17日(火)18:00~18:45