BS世界のドキュメンタリー「女王とクーデター」の感想

イギリス制作のドキュメンタリー。女王とはエリザベス2世、クーデターとは親欧米のパーレビ国王派が実権を握った1953年のイランのクーデター。

エリザベス女王がイランのクーデターに直接関与していたわけではない。女王の名前を使ったメッセージが、クーデター計画の中で重要な鍵となっていた。

モサデクは首相に就任すると、それまでイギリス資本に独占されていた石油会社を国有化しようとした。危機感をおぼえたイギリスは、政権の転覆を謀るためにアメリカに協力を求めた。当初、介入を渋っていたアメリカも、反共の立場からCIAがMI6と協力して、反体制派を扇動してクーデターを実行する。

アメリカとイランの敵対関係は、1979年のホメイニ革命から語られることが多い。だが、さかのぼればここで取り上げられたクーデター辺りがもとになっているのだろう。一方、イギリスもイランとの関係はよくない。帝国主義時代の搾取政策を引きずるようなことを、ここまであからさまにすれば、対欧米感情が悪くなるのは当然かな。

現在の中東のキープレーヤーのひとつであるイランについて、欧米との歴史的背景を知るうえですぐれたドキュメンタリー。

NHKBS1
BS世界のドキュメンタリー
「女王とクーデター」
2021年1月12日 23:00-23:46