映画「スイミング・プール」(2003)の感想。不思議なミステリー。

2003年公開の英仏映画。スカパーのザ・シネマで放送があったので視聴してみた。

人気女流ミステリー作家の主人公は、創作活動に行き詰まっていた。出版社社長のすすめで南仏の別荘でしばらく過ごすことになる。そこに社長の娘が突然現れる。彼女の奔放な生活にふりまわされ、いらだつ主人公。そこに事件が起きる。

ミステリー作品だと思って見始めたが、半分を過ぎても事件が起こらない。自由奔放なじゃじゃ馬娘と堅物の作家のちぐはぐな共同生活が進むだけ。それでも二人の女優が対照的な性格を見事に演じていて、それを対比させる描写もうまいので見応えはある。それに画面から伝わる南仏の雰囲気もいい。そして終盤になってようやく事件発生。だが、ポイントはそこではなかった。

最後のクライマックスは秀逸。観客に一体どうしたんだと思わせて、考えさせながらの終幕となる。一気に評価が上がった。

大人向けのじっくりと見るためのミステリーだ。