NHKドラマ「ザ・商社」の感想。安宅産業破綻事件がモデル。

1980年放送のNHKドラマ。安宅産業破綻事件を扱った松本清張「空の城」が原作。和田勉演出、山崎努主演。

当時観たときにには、とにかく迫力のあるドラマだと思った。今も同じ感想。山崎努は、エネルギッシュな商社マンにぴったりだ。

高度経済成長期の70年代が持つ時代のエネルギー。その中で、野心をたぎらせる主人公の商社マンと若いピアニスト。そして対極にあるファミリーを基盤とする江坂産業。這い上がろうとする根無し草たちの挫折と、特権階級であるファミリー企業の崩壊が重なって進む。人間ドラマでもあり、時代のドラマでもある。

今観ると、あまりにも大げさな演出が目につくが、こういったストーリーのドラマにはうまくハマっている。

ストーリー、時代、そして作り手のそれぞれのエネルギーが凝縮したおすすめの名作ドラマだ。

NHK総合
ザ・商社(全4回)
2022年6月4、12日
(初回放送1980年12月)