NHKスペシャル 未解決事件 File.05「ロッキード事件」の感想。

ロッキード事件を扱ったNHKスペシャル 未解決事件の第5弾。3部構成で、第1部と第2部は実録ドラマ、第3部はドキュメンタリー。

田中角栄元総理の逮捕に至った昭和の大疑獄事件。闇につつまれた真相をドラマ仕立てで追求する。田中角栄役の石橋凌の演技が見もの。権力者の迫力と闇の部分がその風貌からにじみ出ている。よくここまで似せることができたと感心する。

全日空ルート、丸紅ルートばかりが注目されていたが、実は次期対潜哨戒機の機種選定にからむ部分が肝であることに焦点が当てられる。吉永祐介主任検事を演じる松重豊は、苦闘の末に田中逮捕まで持っていくが、本丸を落とせなかった無念さをにじませながらドラマは終わる。

事件の真相を追究すると同時に、当時の行き過ぎた熱狂が描かれる。この事件も既に過去の出来事になってしまったと思わせる。全貌を推測できるような作り方をしているが、政治の闇は解決されないまま歴史の彼方に葬られてしまった。

初回放送2016年7月23日・24日