韓国映画「その時の人達〜有故、大統領〜」(2005)の感想。朴正煕大統領暗殺事件。

朴正煕大統領暗殺事件の当日の人々の動きを扱った2005年の韓国映画。主演ハン・ソッキュ。

「南山の部長たち」同様に大統領暗殺事件を扱っているが、取り上げ方が違っている。撮り方はかなりシリアスだが、まったくのブラックコメディとして事件を描いている。ゆるいしドタバタ劇なところもある。この事件は周到な準備のもとに実行された事件ではなかったようだし、暗殺計画に関与していない人たちは、まさに寝耳に水の状態に陥っただろう。実際のところ、現場はこういう状態であったかもしれない。

主演のハン・ソッキュをはじめ登場人物が魅力的だ。俗物たちが闊歩し、殴って言うことがきかせるような雰囲気が満ちあふれる青瓦台。当時の強権政治の本質をうまくとらえている。

ブラックな視点で事件を風刺的に描いており、「KCIA 南山の部長たち」と見比べると面白いと思う。