映画「必殺仕掛人」(1973)の感想。田宮二郎の梅安と高橋幸治の左内。

映画版の「必殺仕掛人」。田宮二郎主演。

町のはり師である藤枝梅安は、金で殺しを請け負う殺し屋としての裏の顔を持っていた。そこに香具師の代がわりにからむ縄張り争いの仕事が持ち込まれる。跡取りをないがしろにする義母とその愛人。梅安は、跡取りの後見人から受けた依頼を実行するが。

梅安は田宮二郎、左内は高橋幸治が演じている。田宮の梅安は茶目っ気があって、殺伐とした殺しの場面もサラッと流す雰囲気がある。軽いノリの役を演じたときの田宮二郎のよさがでている。

脚本がしっかりしているので、ストーリーは見応えがある。勧善懲悪的な話に、最後のひとひねりから一気に解決に持っていくテンポのよさが加わって、最後まで話がしまっている。梅安の妹についても、思わせぶりのシーンを出しながら、あっさりと終わらせてしまうところもうまい。

軽いテンポで観ることができるよく出来た時代劇だと思う。