映画「007/ユア・アイズ・オンリー」(1981)の感想。アクション指向の作品。

シリーズ第12作目。ボンド役はロジャー・ムーア。

ミサイル誘導装置を搭載したイギリスのスパイ船が沈没した。ボンドは、イギリス政府の命令で調査に当たる。そこには誘導装置を狙ったソ連の手がのびており、悪徳仲介者たちが暗逆していた。黒幕の手がかりを得ようとするボンドであったが、様々な妨害にあう。

シーナ・イーストン主題歌は昔から知っていたが、本編を観るのは初めて。

最初から最後までアクションシーン満載。どれも水準以上の出来で目を見張るものばかりだ。最初のヘリコプターシーンや最後の水中での潜水艇のシーンなどは、よく撮ったなと思えるくらいに出来がよい。

そして舞台が、アルバニア、スペイン、イタリア、ギリシャと移り変わり、贅沢なヨーロッパ旅行を楽しませてくれる。イタリアのコルチナでは、冬のオリンピック競技総めくりといったボンドのアクションは、おまけにしては力が入っている。

ボンドガールとの絡みも健在で、彼女の知的な雰囲気は作品に花を添えている。

そして黒幕に迫る展開も一筋縄ではなく、段階を経て背景を明らかにするプロセスも悪くない。

これだけ揃っているのに、全体的にはぼやけた印象を受ける。007シリーズのエッセンスをきちんと詰め込んでいるのに、いまいちテンポがよくない。ストーリーに躍動感がないので、途中で退屈してしまう。

悪くはないが、まとまり過ぎて面白味がなくなった007作品。