映画「泥だらけの純情」(1963)の感想。吉永小百合、浜田光夫主演。

1963年公開。藤原審爾原作、吉永小百合、浜田光夫主演。1977年には、山口百恵と三浦友和のコンビでも映画化されている。

チンピラ青年と大使令嬢の純愛物語。昭和の逆シンデレラともいうべきストーリーで、住む世界が違う二人が悲劇的な最期をむかえるクラシックなメロドラマだ。

吉永小百合と浜田光夫の黄金コンビによる一作だが、この作品の主役はどちらかというと浜田光夫の方だ。街で恐喝まがいのことも平気でするようなワルでもあるが、不思議と憎めない屈託のなさがある。溌剌とした若者のエネルギーが画面から飛び出してくるようだ。ヤクザの兄貴分の小池朝雄も、いい味を出している。

ステレオタイプに描かれる上流階級の生活であるが、庶民が感じる昭和の時代をうまく反映していて、今日とはまた違った格差社会を見ることができる。