映画「里見八犬伝」 (1983)の感想。和製インディ・ジョーンズの特撮映画。

1983年公開の角川映画。薬師丸ひろ子主演、深作欣二監督。

安房国の里見義実に滅ぼされた妻子が妖怪となって復活する。100年後の里見家の当主は殺害され、娘の静姫は逃げ延びた。その静姫のために八犬士たちが次々に集結し、妖怪と戦う。

里見八犬伝をもとにしたオリジナル脚本。昔、NHKの人形劇「新八犬伝」を観ていたが、それに比べるとアクションに的をしぼったファンタジーストーリー。八犬士の持つミステリアス性はほとんどなく、ただの八人の仲間といった扱いになっている。

そうかと言って出来が悪いわけでなく、とくに派手な舞台装置による特撮は見る価値がある。CGがない時代に、これでもかというくらいに次々に凝ったセットが登場してくるのには驚く。まさに和製インディ・ジョーンズで、角川映画全盛期であればの作品になっている。

この頃、人気絶頂であった薬師丸ひろ子であるが、この映画では存在感が少し薄いような気がする。

とにかく勢いのある作品。角川が力を入れてつくるとこういう映画になる。