映画「シビル・ウォー アメリカ最後の日」(2024)の感想。

アメリカの架空の内戦を描いた作品。

アメリカは完全に分断され、中央政府は西部勢力とフロリダ同盟から軍事攻撃を受ける状況にある。4人のジャーナリストは大統領にインタビューするためにワシントンに向かう。その道中、無法地帯となった各地で銃撃戦や、一般市民までも対象となる虐殺に遭遇する。ついにホワイトハウスに到着すると、大統領は最期のときを迎えつつあった。

部分的に見ればよくできている。戦闘シーンは迫力あるし、荒廃した街の風景は内戦の悲惨さをうまく表現している。ロードムービーという形態をとっているのもうまいと思う。新米ジャーナリストの成長物語とオーバーラップさせるのも巧みな構成と言える。

分断の末の世界を描いているのだろうけれども、それでもやはり物足りない。分断の原因と経緯がまったく出てこないからだ。現実の問題である分断を扱いながら、スタンスをはっきりと決めず、戦闘シーンだけで済ませているはお手軽すぎるね。ただ分断の恐怖を煽っているだけのようにもとれてしまう。