映画「沈黙のパレード」(2022)の感想。ガリレオシリーズ第3弾。

東野圭吾原作、福山雅治主演のミステリー。テレビドラマ「ガリレオ」の劇場版3作。

行方不明の女子高生が遺体で発見された。犯人と思われた男は、かっての少女殺人事件の容疑者で、黙秘により証拠不十分で釈放されていた。罪に問えなかった自責の念を持つ刑事草薙は、旧友の湯川学に捜査協力を依頼する。

現代風の重苦しい事件がベースになっている。無慈悲な事件が周囲の人々に及ぼす影響と担当刑事の苦悩の物語が終盤前まで続く。ミステリーというよりは、社会派テイストの展開だ。最後になって、ようやく探偵湯川学が謎解きを始めるが、なんだか浮いてしまっているような感じがする。

トリックとしてはかなりミステリー的要素を盛り込んでいるが、謎解きはあまり論理的ではない。そこまでの展開がよかっただけに、とってつけただけの印象を受けるクライマックスだった。

北村一輝の熱演が光る。チンピラのような役柄で見ることが多いが、この作品では刑事の苦悩を熱演していて、湯川よりこちらに目を奪われてしまった。