映画「俺たちに明日はない」(1967)の感想。

1967年製作の犯罪映画。実在の銀行強盗がモデルになっている。

60年代から70年代の世相を反映しているような作品だ。世界恐慌時代に、銀行強盗をしながら逃避行する男女が主人公。どう見てみワルなのだが、ただの悪党という描き方ではない。成り行きで強盗をくり返し殺人も犯してしまうが、心の隅には寂しさを抱え、よりどころのない不安定さを感じている二人。その二人が、互いへの愛情や家族への思い感じながらの旅を続ける。

とくに当てのない逃走劇なのだが、自分探しの旅になぞらえて見ることもでき、不器用な二人の生き方が共感を呼んだのだろう。風来坊的な生き方が、あこがれのライフスタイルとして見られていた時代でもあったし、こういう映画はよくつくられていた。

時代を象徴するような作品。いい味を出している。