映画「誰よりも狙われた男」(2014)の感想。ジョン・ル・カレ原作。

ジョン・ル・カレ原作のスパイ小説。2014年公開。フィリップ・シーモア・ホフマン主演。

舞台はハンブルク。極秘で捜査を行うテロ対策チームのリーダーバッハマンは、イスラム過激派の青年に目を付ける。彼は人権派女性弁護士の保護のもと、父の残した多額の預金を引き出そうとしていた。それはテロリストに資金提供される可能性があり、その裏には黒幕である大物の存在があった。

フィリップ・シーモア・ホフマンが渋い。彼に焦点が当たった進行なので、なおさらそのよさが際立っている。大物を挙げようと苦心の策を実行しようとするが、警察、CIAなどの邪魔が入る。目先の獲物を捕まえるか、我慢して更に大物を釣り上げるかの格闘だ。時間の制限のもと、綱渡りで大物を追い込んでいくバッハマン。スパイとしての鋭い嗅覚と組織人としての苦悩がにじみ出る表情が印象的だ。

イスラム過激派の実体が見えず、追う組織側の力関係もはっきりとさせない。否が応でも緊迫感が高まる展開。ジョン・ル・カレ作品の雰囲気をくんだ脚本のよさが生きている。

スパイ映画の秀作。おすすめ。