韓国ドラマ「七日の王妃」(全20回)の感想。

NHKBSで放送したKBS製作の全20回の韓国ドラマ。

この枠の韓国ドラマは、ハズレがないものばかりだったが、ちょっと微妙な感じがする作品だった。燕山君の時代が舞台になるので、血の雨が降るような陰惨な舞台はドラマ的には美味しいと思うが、それをうまく生かし切っていないと思う。

朝廷内の権力闘争と主人公チェギョンと晋城大君、燕山君のラブストーリーが並行して進むのが基本の流れ。

権力闘争は、王様側とクーデター側の対立がうまく描かれていない。当局が不穏分子を取り締まる程度の扱いでしか対立関係が見えてこない。政権転覆から王の廃位という大事件が起きているのに、燕山君が暴君だったという一点のみで、すべてを説明しているように思える。

一方、ラブストーリーについては、いつの間にか燕山君が割り込んできて三角関係になってしまい、そこで心がゆれ動くチェギョン。その心理状態がよくわからない。

権力闘争とラブストーリーを、不十分な描き方のまま行き来するものだから、ストーリーのフワフワ感がますます強まってしまう。

燕山君役のイ・ユンの狂気の演技はよかったと思う。

NHKBSプレミアム
七日の王妃(全20回)
2022年4月10日-8月21日
日曜21:00-22:00