ドラマ「消えた巨人軍」(1978)の感想。西村京太郎原作。

西村京太郎原作。1978年に日本テレビで5話シリーズとして放送されたドラマ。

1976年の長嶋ジャイアンツが、新幹線で大坂へ移動中に誘拐されるという奇抜な設定。当時のジャイアンツの試合や移動中の映像がふんだんに使われている。

もちろん選手たちによる演技はない。それでも思ったよりもよくできている。5話シリーズでも中だるみすることなく、テンポのよさは最後まで続く。とはいえ、突っ込みどころは多い。刑事の奥さんを捜査に参加させるかとか、子供に巨人軍選手を捜させたり、監禁された選手がちが仕出し弁当を食べながら練習しているなど、いろいろと出てくる。それでも、肝心の巨人選手の拉致をどうやって実行したかには、それなりの説明をつけていて、まあ納得できる範囲かな。

藤岡弘と水沢アキがオシドリ探偵として奔走するテンポがいい。そこに捜査一課刑事の大坂志郎の捜査が同時進行で重なり、犯人を追いつめていくという展開。二方向からの捜査で犯人たちの計画の謎を解くため、進行にスピード感があってスムーズだ。

長嶋、王、張本をはじめ、V9のメンバーの当時の様子を見るだけでも興味深い。貴重な映像でもある。