鮎川哲也著「白の恐怖」の感想。

鮎川哲也による1959年刊行のミステリー。

雪山の邸宅に閉じ込められた人々。彼らは資産家の遺産相続のために集まった従兄弟たちで、外界から孤立しているあいだに次々に殺されていく。

「そして誰もいなくなった」のように、閉じられた空間での連続殺人で、犯人が徐々にしぼられてくるというストーリー。いかにもミステリーでよくある設定だが、話の起伏があまりない。それぞれの登場人物に一癖も二癖もありそうな背景を持たせているが、うまく機能していない感じがする。

最後のどんでん返しはあるが、よくある謎解きで、まあ普通といったところ。シンプルなところがこの作品の魅力かな。