安達誠司著「消費税10%後の日本経済」書評感想

現在の日本と世界の経済状況と消費増税の影響、今後の経済の展望についてまとめた本。

消費増税についての本は、批判ありきの立場で政権や政策の失敗を糾弾するような本が多い。本書はそれらとは違い、公平な立場で経済状況の分析を行っている。

豊富なデータをグラフで示して、詳細な分析から結論を導き出すという手法は好感が持てる。しっかり理解するには少し難しいかもしれないが、非常に説得力がある。

日本経済の現況から始まり、金融緩和から量的緩和、そして最近の財政出動にトレンドが変わった経緯、リーマンショック級のリセッションの可能性やアベノミクスの評価についてもわかりやすく説明してある。最近の流行りのFTPLとMMTの解説も興味深い。消費増税の影響もリーマンショック級でなく、じわじわ日本経済とくに内需蝕むという結論。

消費増税の影響だけでなく、今の経済を知るために非常によい本。おすすめ。