NHKBSドラマ アガサ・クリスティー「無実はさいなむ」の感想

2018年にBBCで放送されたアガサ・クリスティー原作のドラマ。非常に高いレベルでつくられていて、ミステリードラマとしては傑作。1時間×3回のシリーズだが、緊張感が持続するので一気に見てしまった。

裕福な資産家の夫人が自宅で撲殺される。夫婦は慈善家で、5人の養子を引き取り育て上げている。養子のひとりのジャックに疑いがかかり、無実を訴えるが逮捕される。裁判前に刑務所の中で不自然に命を落とす。1年半後、ジャックは無実で、アリバイがあったという男が現れる。

人物描写がたいへん克明に描かれる。それぞれクセのある設定で、5人の養子、主人、元秘書、家政婦の誰が犯人であってもおかしくないように思える。

映像も絵画的で、豪華なセットのよさを最大限に引き出している。ほとんどが広大な邸宅の中で起きるシーンだが、世間から隔離したような不自然さが感じられない。

原作がよいせいもあるが、つくりがきめ細かいだけでなく、ストーリー的にも飽きさせない流れがある。結末は原作とは少し違っているようだが、違和感はない。

これほどクオリティの高い作品をドラマ枠で放送しているイギリスBBCの製作技術の高さには驚く。すばらしいのひとこと。

NHKBSプレミアム
アガサ・クリスティー 無実はさいなむ
2019年6月22日 17:00-18:00
2019年6月29日 17:00-18:00
2019年7月6日 17:00-18:00