映画「犬神家の一族」(2006)の感想。市川崑監督はさすがだ。

1976年公開の犬神家の一族のリメイク版。監督市川崑、主演は石坂浩二で前作と同じ。

信州の財閥、犬神家で起きた連続殺人事件。探偵金田一耕助が捜査に乗り出し、一族の謎の解明に挑む。

前作が傑作だったので、どうしてもアラが目立ちがちになるが、総じてよくできた作品だと思う。今回も豪華キャスト。三姉妹の長女の富司純子や弁護士役の中村敦夫など、さすがと思わせる演技を見せている。映像もきれいで、戦後の地方都市の素朴さと閉鎖的な雰囲気がうまく出ている。

前作が自身の作品とはいえ、ほとんど同じ構成で傑作のリメイクをするというのは、かなりやりにくいと思う。それでもこれくらいのクオリティを出せる市川崑監督はさすがだ。