古畑任三郎第23話「ニューヨークでの出来事 」の感想。犯人役鈴木保奈美。(ネタバレ)

鈴木保奈美が犯人役。ニューヨークロケが行われた安楽椅子探偵方式エピソード。

古畑は、ニューヨークに向かうバスの中で日本人女性と出会う。彼女は、無罪判決を受けている友人の完全犯罪について語り始める。古畑はその話から、殺人の推理に挑む。

いろんなプロットを試したシリーズ3の最終回に相応しいエピソードだと思う。古畑が安楽椅子方式で謎を解く初めての試み。犯行シーンは一切なく、犯人との会話のみで進行する。そのため、複雑な謎解きを避けて、ビジュアル化しやすいプロットにしている。キレキレの古畑を期待する人には、謎解きのトリックがちょっと簡単すぎるかな。オチがたい焼きというのは笑えるが。

ニューヨークまで行ってロケをしたのに、あちらの名所はほぼ出てこない。ほとんどがバス内のシーンで、東京のスタジオでも撮れたのではという映像ばかり。「真田丸」で関ヶ原の合戦をナレーションでスルーした三谷幸喜らいしシナリオだ。

刑事コロンボネタとしては、「殺人処方箋」で、犯人が自分が犯人ならという仮定でコロンボと対話するシーンがある。海外ロケでは、「ロンドンの傘」でお上りさんになるコロンボの描写があり、全く名所旧跡を訪れない古畑のダンディさとは対照的。

犯行の映像なしでは難しい安楽椅子方式のドラマ。それを敢えて採用した挑戦的なエピソードだと思う。