佐々木健一著「「面白い」のつくりかた」書評感想

著者はNHKの番組製作会社のディレクター。面白さはどうつくるのかについての本。常に面白いものをつくることを求められるテレビ業界の人は、どんな考え方をしているのだろうと思い読んでみた。

面白さは差異と共感の両輪でつくるという。新しいものと共有できるものの両方が必要なのだろう。そして、アイディアは組み合わせで生まれるとも。新しいものといっても、既存のものの組み合わせがほとんどである。事前の学びが大事なのも納得できるし、質の高さは情報量が支えているという考えも。

それほど奇をてらったような内容ではないが、現場の制作者さらしい実践的なポイントがあふれている。当たり前のことを当たり前にすることが、面白さのもとになるという考え。思いつきの突飛なアイディアをだすことより、地道な作業の裏づけが必要。実務のポイントがつまった本だ。