NHKドラマ「混声の森」の感想。松本清張原作の学園権力闘争もの。

松本清張原作のNHKドラマ。学園内の権力闘争を扱った前後半4時間の長編ドラマ。

若草学院の専務理事石田は、医学部設立のための土地購入を成功させ、更なる野望を抱いていた。前理事長の娘婿である大島理事長の座を奪うべく、スキャンダルを暴こうとする。しかし、石田自身も不倫をしているという弱みがあり、そこを大島理事長に衝かれ全面的な対決になる。

清張作品らしく欲まみれの人たちの権力闘争と終盤のどんでん返しで、見せるドラマになっている。

ただ、主人公の石田専務理事のキャラ設定が少し微妙。実の父親の前理事長の理念継承を大義に掲げる善人キャラが入っているのは少し方向違いかな。

やっていることは、不倫をして家庭を顧みない、息子の彼女と関係を持って交通事故現場で放置、スキャンダルをネタにクーデターを起こす、公私混同の不倫旅行など、どこから見ても悪い人だ。

もっと素直に、野心ギラギラで、煮ても焼いても食えない欲まみれの悪人として描いた方が、清張作品の主人公に相応しかったと思う。

NHKBSプレミアム
特集ドラマ「混声の森」
2022年7月23、30日
19:30-21:29