NHKドラマ「悪魔の手毬唄」の感想。吉岡秀隆主演。(ネタバレ)

NHKの金田一耕助シリーズ第5弾。主演吉岡秀隆。市川崑監督の映画版が最高傑作と言われており、そのドラマ版がいよいよNHKにも登場するということで、興味津々で視聴してみた。

この物語は人間関係が入り組んでいてストーリーがかなり複雑。そのためわかりやすくするための苦心の跡がうかがえる構成だ。冒頭から、重要キャラだが語られるだけの存在であった青池源治郎を登場させている。その後も妻リカとのやりとりを丁寧に描いたり、家系図で人物関係を示すなど、視聴者が話を追いやすくする工夫を取り入れている。

ただ、連続殺人の被害者である腹違いの姉妹たちが、里子以外はビジュアル的に差がなくわかりづらい。とくに人気歌手の千恵子が芸能人らしくない雰囲気で、田舎娘たちとの違いがあまりない。真っ赤な口紅を塗るとか、派手な服装にするとか、何か目印になるようなものが欲しかったところだ。

最後の謎解きの部分については、肝心の人違い殺人の経緯がわかりづらい。ここが一番の欠点になるかな。なぜ自分の娘を殺してしまったのかは、動機にも関連しているので一番の肝になる部分。初見でこの作品を見た人は、よくわからないままに終わってしまったかもしれない。宮沢りえの熱演はさすがだったが、最後で生かされなかったのが残念。

映像については、昭和30年代の地方の雰囲気はよくでていると思う。だが、NHKの横溝正史短編シリーズのような過度なレトロ感がところどころにあり、ちょっとちぐはぐ感がある。それに、青年団がフォークソングを歌うところも、浮いてしまった場面だ。

NHKBSP4K
悪魔の手毬唄
2026年3月14日、21日
21:00-22:29