メキシコ専門の考古学者が遺体で発見された。遺体からは心臓が抜き取られていた。被害者はメキシコで養子縁組をした息子がいて、彼に嫌疑がかかる。捜査を進めると、アステカの黄金郷の秘密が関係していることがわかってくる。
前回のチベット仏教から今回はアステカ文明へと、またもやミステリアス異文化を背景にする設定。アステカの生け贄を連想させる殺人事件が発端。グロテスクで怪奇趣味的な殺され方はこのシリーズの特徴だ。そこから黄金郷へつながる手がかりが見つかる。仕舞いにはメキシコのマフィア組織の関与もあって、国際的な宝探しの様相を帯びてくる。複雑なパズルを解きほぐすアストリッドの活躍はいつも通り。今回もキレキレだ。
謎解きも、2層、3層、4層と深まっていって、穴を掘っていくがごときの捜査で引き込まれる。構造は複雑だが、今回は割と素直なオチだったかな。
テツオとリモートで会話するアストリッド。今シリーズからテツオの出演はないかと思っていたが、この手があったか。最後に幽霊男が突然現れ、アストリッドはまたもや卒倒してしまう。心配だ。