映画「ハスラー」(1961)の感想。ポール・ニューマン主演のビリヤード映画。

ポール・ニューマンが若きハスラーを演じる。1986年にはトム・クルーズとのコンビで「ハスラー2」が作られている。

若きハスラーのエディは、不敗の名手ファッツに勝負を挑む。しかし圧倒的なリードを守り抜けずに大敗する。エディはリベンジを胸に秘めながら、自分の精神的な弱さを克服してハスラーとして生きるために勝負の旅に出る。

若いハスラーの成長物語が核になっているが、ありきたりの成功ストーリーではない。若者の青さや七転八倒しながら苦闘する姿の描写が中心ではなく、内面の心の機微が抑制されたトーンで全編にわたって表現される。

映像は、バックで流れる静かなジャズがピタリと合うハードボイルド風。そこにポール・ニューマンの絶妙の演技がうまくはまる。更に、対戦相手のファッツとマネージャーのバートが重厚な演技で脇を固める。

とにかく渋い映画だ。ポール・ニューマンの良さが凝縮された作品。