映画「ボーン・アイデンティティー」(2002)の感想。マット・デイモン主演。

マット・デイモン主演のサスペンスアクションのシリーズ第1弾。

主人公は、銃で撃たれ海上を漂っているところを漁船に救助される。完全に記憶を失っており、皮膚に埋め込まれた貸金庫番号をたよりに銀行に赴くと、何やら工作員の持ち物らしき複数のパスポート、拳銃、現金などが預けられていた。行きずりの女性と自分の住所があるらしいパリに向かうが、命を狙われる苦境に陥る。

最初から最後まで手に汗握る展開が繰り広げられる。具体的な身元と背景は最終盤まで明かさないところがうまい。主人公がスパイ工作員であり、アフリカの独裁亡命者の暗殺に関わっていることは何となくわかる。そこにCIAの謀略が見え隠れする。それらを謎のままにして、相棒の女性との綱渡りアクションはテンポがよい。種明かしも上司の口から軽く説明されるだけで、すぐに終息というのも緊張を切らさないための構成のうまさだ。

マット・デイモンとフランカ・ポテンテはいいコンビだ。魅力的なふたりだが、互いに必要以上に個性を出さず、緊迫感のあるストーリーをこわさないところも脚本のうまさだ。

かなりよく出来たサスペンス。ミッション・インポッシブルよりも面白いと思う。