映画「恐怖の報酬オリジナル完全版」(1977)の感想。1953年仏映画のリメイク。

1953年のフランス映画「恐怖の報酬」のリメイク。NHKBSで放送があったオリジナル完全版を鑑賞。

南米の奥地で油田火災が発生した。この地に流れ込んでいた4人の犯罪者たちが、高額の報酬を引きかえに、消火用ニトログリセリンを現場まで運ぶトラック運転手に志願する。4人は、密林の中の道なき道を決死の思いで進む。

先ずは、迫力満点の映像が見もの。CGと思えるくらいの迫力を1977年につくってしまったところに、この映画の並々ならぬ意気込みを感じる。吊り橋を渡るハラハラシーンは一体どうやって撮影したのだろうと思うくらいに秀逸。

冒頭から、かなりの時間を割いて4人の過去が描かれる。そして、流れ落ちてきた南米奥地の街の描写がリアル。抜け出そうにも抜け出せない蟻地獄のような街の様子が克明に描かれることで、危険な仕事に手を出さざるを得ない4人の心情が語られる。

ラストだけはちょっと残念。とってつけたような終幕だね。

興行的には失敗だったらしいが、オリジナルにも負けないほどの秀作。