映画「関ヶ原」(2017)の感想。石田三成の岡田准一主演。

原作は司馬遼太郎の小説「関ヶ原」。石田三成は岡田准一、徳川家康は役所広司が演じる。

天下人豊臣秀吉の死後、覇権を狙う徳川家康が様々な謀略を仕掛ける。それに反発する石田三成は、豊臣家を守るべく奔走する。両軍は関ヶ原で対決することになり、三成は義の戦いに挑むことになる。

戦闘シーンの規模の大きさを見れば、どれだけ大作がわかる。お金をかけた映像や迫力の合戦シーンはすばらしい。

しかし、話のテンポがよくない。2時間で関ヶ原関連のストーリーを詰め込んでいるので、ただ羅列しているだけで、メリハリが感じられない。核となるストーリーがはっきりしない。

古風なセリフ回しは悪くないと思うが、凝りすぎて聞き取りにくくなっている。有村架純が「ショウシ」と叫んだところで、歴史物に馴染みがなければ「笑止」を思い浮かべるのは難しいだろう。

テンポが悪いので、人物のキャラが生き生きと浮き上がってこない。これだけ個性の強い人物たちが登場しているのに、役所広司の徳川家康以外は影が薄い。島左近、本田正信にも策士たる雰囲気が感じられない。

見せる映画にはなっていると思うが、もう少しうまく構成を考えれば、すばらしい作品になったのに残念。