映画「女咲かせます」(1987)の感想。松坂慶子主演。

デパート強盗を企てるスリ集団を描いた喜劇。途中まで観て「白昼堂々」と同じ話だなとわかった。原作は結城昌治。

2つの作品のテイストは異なり、この映画では松坂慶子の女スリが中心となる。炭鉱閉鎖で苦境にある地元九州の苦境はあっさりと触れるくらい。社会問題として深くは突っ込まない。一方、若い役所広司が出演していて、二人の恋物語も組み込まれている。松坂慶子が生きるストーリーだ。刑事役には川谷拓三。チンピラ風の味のある演技をしている。そしてスリ集団の重鎮には田中邦衛。

デパート強盗がルパン三世ばりの手の込んだ作戦なのは、80年代になるとこのくらいはやらないと映画は受けないからだろう。ただ、犯罪映画として観ると、強奪に成功してもスカッとした気分になれない。そこがいまいちかな。