映画「招かれざる客」(1967)の感想。シドニー・ポワチエ出演。

1967年公開のアメリカ映画。シドニー・ポワチエ主演。白人と黒人の結婚に直面した家族の葛藤を描いている。

白人家庭の娘が、ある日突然、結婚相手として黒人男性を連れてくる。彼は医師として輝かしい経歴を持ち将来も有望。何より思慮深く人間的に素晴らしい人物。娘の両親も進歩的な考えの持ち主で、人種差別など許さないという考えの持ち主。更に黒人男性の両親も好人物だ。

これほどの好条件がそろっているのに、両親は二の足を踏んでしまう。自他ともに認める進歩派のはずなのに、いざ自分の娘に人種問題が起きると、頭では同意するものの、感情がついていかない。両親の態度を通して、人種問題の微妙な側面をあぶり出している。

一方、こうした完璧な家族の組み合わせにして、倫理と感情の問題として描いたところに、厳しい現実の存在を感じざるを得ない。もし、家族に一人でも人種差別主義者がいたら、両親が高邁な社会的思想を持っていなかったらどうなるか。問題は更に複雑になっていくだろう。

60年代にこういう作品をつくること自体が、挑戦であったと思うし、それだけの評価を受けた作品。