映画「ゴジラ対へドラ」(1971)の感想。

1971年公開のゴジラシリーズの第11作。子供のときに観たいと思っていたが果たせず、ずっと気になっていた作品。

ヘドラの造形が秀逸。もちろん当時社会問題になっていた公害をモチーフにしたものだ。ヘドロという形の定まらないものがもとになっているので、不気味さと愛嬌が混じり合った雰囲気を醸し出している。ゴジラの奮闘にもなかなか退治できないしぶとさは、公害の手強さを思い起こさせる。

ところどころに若者文化を象徴するようなシーンが差し込まれていて、あの頃のエネルギーはあるが雑然とした社会状況も描いている。社会発展の裏には様々な問題があり、そのひとつとしての公害があるという指摘でもある。

ゴジラは正義の味方として登場するが、ここでは完全に脇役だ。ヘドラの強烈なキャラがやはり見どころと言えるだろう。