映画「ダム・マネー ウォール街を狙え!」(2023)の感想。

個人投資家たちがゲーム小売店「ゲームストップ」株をつり上げた実際の株価騒動を映画化した作品。

中流階級の主人公がボロ株に全財産5万ドルをつぎこみ、その売買をライブ配信していた。この会社は企業価値はないと思われた銘柄で、ヘッジファンドによる売り浴びせにあっていた。しかし、個人投資家の賛同者が主人公に続いて次々と買いにまわり、考えられないような高騰の動きを見せる。

基本的には弱者が強者を倒す痛快ストーリーだ。なけなしの資金しかない一般投資家たちが、豪華な生活を送るヘッジファンドの成功者たちを追いつめる様子は爽快だ。バンダナを巻いた主人公と豪邸に暮らすヘッジファンド関係者たちの対比は、まさに勧善懲悪を描いているようにも見える。ただ、エンタメ作品としてはそれ以上の発展はない。終盤に向かっての加速感もそれほどでもないし、わざとらしいクライマックスもない。できるだけ事実に沿った展開のようだ。

金融市場の切った張ったの世界をわかりやすく映画化した作品。面白いよ。