サスペンスもののスペイン映画ということで観てみた。かなりの秀作だ。
実業家の主人公は、不倫相手とドライブ中に事故を起こし、隠蔽のため相手の若い男性を湖に沈める。不倫相手は、車が故障したため偶然通りかかった男性に助けを求める。実はこの人は被害者の父親であった。失踪した息子をさがすうちに、被害者の両親は二人にたどり着く。そして不倫相手がホテルで殺害され、実業家に嫌疑がかかることになる。
前半はこれからどうなるのかという展開。被害者の両親宅を訪れてしまうという偶然にハラハラ。主人公側からの視点で、底なし沼にどんどんはまり込んでいくような感じで進んでいく。
後半は、真実は何かという謎に迷い込む。テンポが上がり、様々な可能性が出てくる。今まで現実を見ていたはずなのに、本当のところはどうなんだと画面に引き込まれる。終盤への盛り上げ方がうまい。映像は終始暗めのトーンで撮られているため、否が応でも緊迫感が高まる。
なかなかのサスペンス作品。スペインにもいい映画があるんだなと思わせてくれる。