映画「江戸城大乱」(1991)の感想。徳川家綱の世継ぎ争い。

舛田利雄監督、松方弘樹主演の時代劇。

4代将軍家綱の世継ぎ争いを、時の権力者酒井雅楽頭忠清を中心として描いた抗争劇。ストーリーはアクション映画風であり、アット驚く設定が相次ぐ。

松方弘樹演じる酒井忠清は、下馬将軍と言われ御三家をも見下すくらいの実力者。歌舞伎ばりの大仰な演技がピッタリとハマる。そこで世継ぎに決まりかけた甲府綱重が暗殺され、その黒幕が尾張という突拍子もない設定で、序盤から乱戦に突入する。

さらに忠清の次に幕閣の実力者となる堀田正俊が剣の達人として登場。尾張一派を乱闘の末に壊滅させるというアクション路線の王道が続く。

最後に綱吉の将軍就任が決まると、実は綱吉は忠清と桂昌院の子であったという驚くべき秘密が明らかになる。

全体的にはアクションシーンは控えめだが、それを上回るストーリー上の波乱が想像以上で、思い切り江戸の権力闘争を楽しめる作品だ。