映画「ボルサリーノ」(1970)の感想。ジャン・ポール・ベルモンドと アラン・ドロン主演。

フランスの2大俳優であるジャン・ポール・ベルモンドと アラン・ドロン主演のギャング映画。

ヤクザ家業の若い二人が、マルセイユで地元の大物ギャングと抗争に勝利し、街の実権を握るという、いわゆるアメリカンスタイルの痛快活劇のようなストーリー。ただ、テイストは少し違っている。フランス映画の重厚さがそこかしこに垣間見え、ハリウッド映画とフランス映画をミックスしたような出来映えになっている。

主役の二人はさすがにそれぞれのよさを出していて、いいコンビを演じている。そして脇役たちの存在感はさすが。大物ギャングや警察署長、ごろつきの部下たちは、いずれもいぶし銀的な存在で、作品に重厚感を添えている。

ただ、その重厚さのせいか、話の展開がスムーズに流れていないように感じる。ドロンとベルモンドのやりとりにも軽いノリはなく、スカッとするような痛快さは欠けている。

よく作りこんであるので楽しめるが、いまいちテンポのよさが感じられないのが残念。