映画「黄金の七人」(1965)の感想。ルパン三世の元ネタイタリア映画。

1965年のイタリア犯罪コメディ。ルパン三世の元ネタになったとされる作品。

前半は窃盗団による古典的な銀行強盗、後半は強奪した金塊を巡る仲間割れのドタバタ劇。地下トンネルから銀行の壁をぶち破って金庫内に侵入し、金の延べ棒を盗み出すという作戦。ベルトコンベアで延べ棒を運び出すシーンは、まさにルパンのネタそのものだ。

全体的には、コメディのお気楽ムードがうまく銀行強盗に取り入れられていて、何も考えずにリラックスして楽しめるストーリーだ。

ルパン三世との違いは、黄金の七人と言いながらメンバーの存在感が薄いこと。リーダーの教授とその愛人以外は、これといったキャラがない。その教授でさえも、ルパンほどの天才的なひらめきはないし、愛人にも峰不二子ほどの魅力を感じられない。逆に言えば、ルパンでは際だったキャラづくりをすることで、ストーリーに厚みを持たせていることがわかる。

エンターテイメント作品としては洗練度はルパン三世にはるかに及ばない。改めてルパンの完成度の高さを感じさせてくれる作品だ。それでも不思議と楽しめる映画だ。