最近の整理術、断捨離ブームと反対の立場から整理術を考えた本。
タイトルにはアンチとあるが、整理整頓不要といった主張ではない。他人には散らかっているように見えても、自分がわかれば、それが自分に合った整理法ということ。
確かに整理術が、効率が上がる、発想が生まれる、仕事ができるようになるなどの方法論として論じられる必要はないだろう。そういった考えの背景には、社会の秩序や全体の効率を重視するという思想が見えてくるので、他人との関わりが必須の場合は必要となるのはわかる。ただ、とくに創造を仕事にするような人なら、個人的な問題であって、部屋の片付けなどは内面の反映とも言えるかもしれない。
筆者は、ものの整理よりも人間の整理の方が大事だと言う。つまらぬ人間関係を子供に引き継いだりするのは避けたいものだ。
クリエイティブな仕事や発想をしようとする人には、知的生活のヒントになる本だと思う。