駿台予備校世界史講師の著者による東アジアの地政学本。
地政学なので、生々しい話が多い。大国の力と力のぶつかり合いを、専門の歴史と地政学を関連させて説明してあり、大きな流れの中でポイントがつかむことができる。歴史と関連させると、こんなにもわかりやすくなるのかと思う。
朝鮮半島の戦略的な重要性と民族的な特徴の分析は興味深い。とくに18世紀の後半から現代まで列強の争いの場になった半島の歴史と、北朝鮮と韓国の生き残り戦略。話は統一朝鮮まで進む。
決して嫌韓、反中本ではないが、韓国、中国については手厳しい見方をしている。
現在の外交や政治を考えるうえで、世界史の知識は必須だと思わせる本。