電波新聞社「令和版 BCLマニュアル」書評感想

なつかしのBCLマニュアルが令和版として出版された。BCLとは、broadcasting listenersの略で、一般には海外のラジオ放送を短波ラジオで受信して楽しむこと。70年代に中高生のあいだでブームになった。受信報告書を放送局に送るとベリカードをもらえた。

当時の昭和版もいまだに手もとにあるが、旧版の記事をところどころ残しながら、今の状況に合うように書き換えられている。かなりの力作だ。

すでに外国からの日本語放送の数は大きく減ってしまった。ラジオオーストラリアもBBCもドイチェベレもない。短波放送自体をやめてしまった国も多い。AMの国内中波放送もFMに移行する動きもある。

市販のBCLラジオは国内製はほとんどなくなり、中国製に取って代わられた。通信型受信機で手に入るものは限られる。八重洲、ケンウッド、JRCも短波受信機から撤退している。SDRという新しい方式が生まれた。

ネットで世界中のラジオをリアルタイムで聴けるようになった。それでも、今の時代にこういう復刻版がでるのは嬉しい。どれほどの需要があるかわからないが、Amazonでは売れているようだ。