ミシェル・エルベール&ウジェーヌ・ヴィル著「禁じられた館」の感想。

1930年代のフランスのクラシックミステリー。

富豪の館で主人が自室で殺害された。それまでには何度も館から出て行くようにとの脅迫文を受け取っていた。周りには使用人が多数いて、それぞれにアリバイがある。互いの潔白を証明するような証言が集められる。そこに探偵然とした男が現れ、真相を言い当てる。

クラシックミステリーの割には古さをあまり感じない。世間から離れた大金持ちの邸宅が舞台だし、密室殺人の基本にそった流れなので、現代風のテイストで読むことができる。構成もいい。探偵による謎解きで終わったかに見えたが、驚くような続きがあった。

宣伝文句どおりに掘り出しもののミステリーになると思う。秀作とまでは言えないが、かなり楽しめる作品だ。