「隠し砦の三悪人」はハリウッド映画のような冒険活劇映画。感想とあらすじなど。

今さらながら黒澤明監督「隠し砦の三悪人」を観た。スターウォーズの元ネタとなった作品。

タイトルからは、悪人が三人でてきて何をするんだと思ったが、一言で言うとハリウッド的な冒険活劇映画。お姫様と腕の立つ家来、それにとんまなデコボココンビ。この4人が金塊を持って国境を越える道中記。

この4人組という設定が絶妙。途中、いろんな危機に巻き込まれ、それぞれ危機一髪というところでクリアする。観客は、まるでロールプレイングゲームを楽しんでいる感じで話が進む。

力が入っているシーンが続く。三船敏郎が刀を振り上げながら馬に乗って相手を追いかける、敵と一対一の果たし合い、村人が踊り乱れる火祭り。

それぞれの場面は、迫力があって映像的な効果が盛り込まれている。ただ、話の流れが少し悪い。

上原美佐の演技経験の少なさを、妖艶なメイクと凛とした仁王立ちでカバーしてしまっているのは、非常にうまいと思う。

藤原鎌足と千秋実のデコボココンビは、今ならもっとコミカルに描くところだろう。

今でも通じる基本を押さえて60年前にこんな面白い映画をつくってしまう黒澤明監督はさすがだ。