ブリジット・オベール著「マーチ博士の四人の息子」書評感想

フランスのミステリー作家、ブリジット・オベールによる作品。奇想天外のトリックが見どころ。

医師夫婦と4人の息子、それにメイドが住む邸宅でのミステリー。メイドが偶然見つけた日記には、殺人を繰り返してきたという告白があった。メイドは4人の息子のひとりがその殺人狂ではと推測し、身の危険を感じながらもやりとりを続ける。最後のエピローグでは驚きの事実が語られる。

非常にトリッキーな構成なので、謎解きはかなり難しい。犯人は誰だという読み方をすれば、面白い作品だと思う。ただ、二人の日記と独白だけの進行は少し退屈に思えるかもしれない。トリック重視の楽しみ方をしたい人にはおすすめ。