高木彬光著「死を開く扉」の感想。

神津恭介が解決に挑む密室殺人事件。

構成は割とシンプル。旧友を訪ねて若狭に足を運んだ松下が、資産家宅で起きた殺人事件の捜査に関与する。被害者は、四次元の世界を連想させるような扉を邸宅につくったミステリアスな性格の持ち主。東京からの神津恭介の指示で事件が徐々に解明されていく。

若狭という地方都市が舞台で、登場人物も少なく、小さくまとまった謎解きものだ。神津恭介が手紙で送った事件解決のための四つのメモが、読者へのヒントにもなっていて、なかなか面白い。突如として出てきた封筒の一件はさすがにわからなかった。前半に、思わせぶりのセリフがあったりして、犯人の当たりはつけやすかったが、人物関係が複雑でないわりに楽しむことのできるストーリーだ。