映画「超高層ホテル殺人事件」(1976)の感想。森村誠一原作。

森村誠一原作。近藤正臣、由美かおる出演のミステリー。

高層ホテルのセレモニーの最中に、総支配人がホテルから転落死した。その現場をたくさんの来賓が目撃する衝撃的な事件となった。その後、関係する秘書やライバルホテルの御曹司の死が相次ぎ、警察はホテルの後継者を容疑者とするが、アリバイを崩すことができない。

構成としてはかなり凝っている。謎解きミステリーとして、転落死と犯人の時間差アリバイの二つトリック。そこにライバルホテルとの抗争と経営権争いと、主人公とライバルホテルの御曹司夫人との不倫関係が加わる。この3つが同時進行する。

だが、うまくかみ合っていない感じ。欲張りすぎてどれも細かいところまで描ききれていない。サスペンス調のドラマとして仕上がっているが、いまいち感はぬぐえない。

演出も独特。冒頭、近藤正臣がホテルの屋上でトランペットを吹くシーンはあまりにも突飛だ。中山仁のキャラも変態的なところもあって、さらりと流すだけでは惜しいくらいだ。

原作のよさをうまく生かし切っていない感じの作品。それだけ原作が重厚であるということだろう。もう少し予算をかけて、アリバイ崩しや株の争奪戦あたりにしぼっていれば、違ったものができたかもしれない。