映画「子連れ狼 若山富三郎版」の感想。全6作。

子連れ狼と言うとドラマの萬屋錦之介版を思い浮かべるが、映画の若山富三郎版も評価が高い。テレビ放映されることがほとんどなく、今まで観る機会がなかったが、BS松竹東急で全6作の放送があったので観てみた。

1.子を貸し腕貸しつかまつる(1972年)
2.三途の川の乳母車(1972年)
3.死に風に向う乳母車(1972年)
4.親の心子の心(1972年)
5.冥府魔道(1973年)
6.地獄へ行くぞ! 大五郎(1974年)

萬屋錦之介版と同じような感じで観ることができる。007や金田一耕助のように主役のキャスティングが変わると雰囲気も変わってしまい、そこばかりに目立ってしまうことがよくある。そういった違和感がない。原作の圧倒的な力とそれを忠実に映像化した作品の臨場感によるものだと思う。

若山富三郎の殺陣も見事だし、血しぶきがほとばしる過剰な演出も健在。冥府魔道というよくわからない神秘的な思想が、拝一刀の表情から伝わってくる。柳生烈堂を3人の俳優が演じているが、これも問題なし。6作つくっても、緩みが出てこないのもさすが。