1月に放送されたときには録画し損ねてしまい、ようやく再放送で見ることができた。
NHKBSでは、「シリーズ深読み読書会」という不定期に放送しているテレビ読書会があるが、その番組と似たような構成。コロナのためリモート参加の6人の出席者が、三島由紀夫の作品と人物像について座談会形式で語り合う。
難解な三島文学が対象なので、話がうまく進むのかと思っていたが、それぞれの立場で語りあう感想がうまくかみ合い、盛り上がっていてよかった。突っ込んだものからミーハー的なものまでいろんな意見が出されて、バランスとテンポのよさから2時間があっというまに過ぎた。
討論のあいだに、関係者の証言と映像から、肉体のコンプレックス、ナルシシズム、完璧主義、目立ちたがりなど、英雄志向など、数々のエピソードが紹介される。この紹介が効果的で、人間三島由紀夫の部分には、笑ってしまう逸話も語られる。作品との関連から人間像が深堀りされていくが、三島文学よりも寧ろ人間三島由紀夫に焦点があたる部分の方が面白い。
参加者6人の人選、番組構成ともよく、なかなか見応えのある番組だった。
NHK BSプレミアム
没後50年 今夜はトコトン“三島由紀夫”
2021年4月4日(日)00:00~01:59(再放送)
(初回放送2021年1月30日(土)10:40~00:40)