最近、テレビでもときどき見かけるトルコ人エコノミストによる経済解説本。
米中の新冷戦、イランとサウジアラビアの弱体化、仮想通貨の見通し、日本の強みと弱点、株式投資術などがわかりやすく解説してある。
基本的に日本についてはポジティブな見方。ソニーやソフトバンクの底力や、人口減少のよい面の解説は希望を持たせてくれる。
日本の将来については書かれた本のほとんどは悲観的。人口減少、借金、新しい産業が育たないなど。あまりにも悪いところばかり見ている論評が目立つ。
本書のような見方が中立に近いのかもしれない。
著者は生物オリンピック金メダリストで、日本人以上に日本語がうまい。その優秀な著者が欧米ではなく日本を活動の舞台に選んでいることが、日本はまだ捨てたものではないことのあらわれなのかもしれない。