米長邦雄著「米長流株に勝つ極意」書評感想

だいぶ前になるが著者による「人間における勝負の研究」を読んだことがある。人生を波に見立て、棋士としての勝負哲学が書かれたものだ。

本書は、その米長流の勝負哲学で株式投資について語ったもの。

株は本業ではないとことわっているが、それだからこそ筆の運びも滑らかだ。将棋では書けなかったことも、株では書くことができる。「波とはなんぞや?」といった疑問にも答えるヒントも多い。

手法としてみれば、上がりそうな銘柄選ぶという株式雑誌の記事と同じだ。だが、どの銘柄を選んで、どこで買って、どこで売るのかという判断の基本は波の理論。

発行はバブル前の1986年で、証券会社に電話注文を出していた時代。株式投資はまだ一部の人たちのもので、この本もそれほど話題にもならなかったのだろう。

米長さん、いい本書いていたんだね。超おすすめだけど、入手は少し難しいかな。