高橋洋一著「ド文系大国日本の盲点」書評感想

数量経済学者を自称する著者が、今の諸問題について数字を基にした考え方を提供する。文系についての挑発的なタイトルになっているが、中身はデータに基づかない議論への批判。興味深い解説が多い。

経済政策では雇用が大事
リスクは確率で計算
AIには乗っ取られない
例え話しは本当ではない、言葉に頼る危うさ
森加計問題のロジカルな考え方
水道の民営化は本当の民営化でない
財政破綻はしない、政府のバランスシートでわかる
消費増税は不要
アベノミクスはB評価
平和を数量的に考える
アメリカと組むのが安上がり
米中貿易戦争は中国が負ける
カジノ導入でパチンコ駆逐
憲法改正の数量的見方
消費増税可能性
国会議員の能力の見方
官僚はマスコミをコントロール

ふつうのマスメディアで語られる一般論とは異なるものが多いが、数字をもとにしているのでロジカルで説得力がある。
とくに日本の財政問題は解決しているという立場で、財政破綻論をバランスシートで論破する点は明快でわかりやすい。

インタビュー形式でつくられているので、筆は滑らか。実名で著名人へのきわどい言及もあって面白い。